ここにあるもの & 池田整治氏

(賢治の学校 綾自然農生活実践場 以下ケンあや)
ここ賢治の学校の西側に / 大きな“ヤマモモ”の木がある / 先日地主さんだった方から / 昔の暮しのことなどをお聞きした / 賢治の学校はかつては“馬小屋”だった / 仔馬が生まれると母馬の胎盤を / ヤマモモの木の根元に埋めたという / 以前暮らしていた高野山花坂では / 「サンマイ」という場所に / 人間を土葬するのが習わしだった / チベットの鳥葬のように / 肉体は土に還るのである / 人間の死生観は時代と共に変わるのだけれど / 真実は変わらない / そのことを松尾芭蕉の「不易流行」に例える人もいる / 映画監督・小津安二郎氏は / どうでもいいことは流行にまかせ / 大事なことは妥協せずに真実を追求すると言った / 芸術にとって“不易”は大切なことだから / 自然や宇宙と対話するのだろう

(ケンあや)
ここにあるヤマモモの実は / とても美味しい / とても一度に食べきれないから / 保存法を考える / 子どもたちはビワの方が好きらしい / 三男は実を採るために猿になっていた / ヤマモモはいちごのような香りがする / 甘いお酒は好きではないから / 氷砂糖を入れずに焼酎漬けにしようかな / 妻はジャムにするようだ / 指先を染めて…

(ケンあや)
雨の日曜日 / 庭のあじさいは / 静かに咲いているようだった

(ケンあや)
サトイモの間から / ウコンが葉を伸ばして / 共生している / 草をノコギリ鎌で切りながら / ここに生きる生き物たちを / 観察しながら / あれやこれやと考えている

(ケンあや)
新たに種を撒かなくとも / 勝手に育っている野菜もある / 自然農や自然栽培では / 山の木々が育つように / 還元することを大切にしている / だから刈った草もそこに還す / 収奪するだけでは痩せてしまうからだろう / ただ分らないことも沢山ある / 小さな命の生態系は / 人間の都合で成り立ってはいない / 自分の都合のいいように考えたがる人間として / 全体と細部の把握が鈍るからである / 心を開いて全身で感じるほかのない今である

(ケンあや)
ここの畑はおそらく12年以上は / 農薬や除草剤や化学肥料を投入していないから / 食べられる土と言えるのだろう / ミミズや多くの生き物たちが / 毎日せっせと仕事をしている / 野鳥たちも毎日やってくる / 先週次男が縁の下に潜り込んだ動物を発見 / 家族でそっと覗いて見ると / アナグマの子供が無邪気な顔で遊んでいた / どうやら巣穴にしたらしい / 果たして共生出来るだろうか

(ケンあや)
ネギやカボチャやサトイモやニラは / 勝手に育っている野生児みたいなものだけれど / いくつか野菜の種を撒いてみた / 大根と野沢菜と人参の種は大量に採れた / 再生作業を続けながら畑に立つ日々

(ケンあや)
草が生えていても / 共に育つ野菜たち / 購入したジャガイモの種は / 虫に葉を食べられた / 勝手に出て来たじゃがいもは元気だ / このことはよく考えなければならない

(ケンあや)
茶ノ木のそばに / カボチャが育っている / 一雨ごとに勢いを増す植物たち / 狭い畑ながらも命がひしめき合っている

(ケンあや)
試しに“昔きゅうり”という品種を / 西側の畑に植えてみた / キュウリやトマトは / 昔と味が違うとよく年配者は仰る / 遺伝子組み換えで有名なモンサント社は / 今や世界中から嫌われているけれど / 日本では実体を知らない人たちが多い / 美味しい野菜を食べるには / 種を守り受け継ぐ努力も必要なのだろう

(ケンあや)
水がころころ / 水がころころ / 水は答えを知っている / 波動のこと

(ケンあや)
世界が全体幸福にならないうちは / 個人の幸福はあり得ない / 人類の一部である支配者層は / 今まで収奪と支配と破壊を繰り返して来た / ささやかな幸せに生きる人たちは / 時に犠牲になり時に人生を滅茶苦茶にされて来た / 「どうしても 乗り越えなければならない 壁がある」 / なんていうサッカーのCMがあったけれど / それに似た時代に突入していることは確かなことである / 限られた資源と限りない人間の欲望 / 意識の壁を乗り越えられれば / クリーンエネルギーや新たなヴィジョンによる / 共生社会は実現出来る / 汗を流して働くことに変わりはないのだけれど / 働く喜びの質が違う世の中になる / 楽をしようと思うから悪循環に陥りやすのだろう

(ケンあや)
人も世のなかも表と裏があるから / 表裏一体という言葉もあるのだろう / 歴史について / 現在起きている出来事について / 真実を追求することは / 向上心の表れでもある / 生きているうちに真理に到達しようと / 切磋琢磨する人間もいる / ゴッホのようにボリナージュの炭鉱で / 貧しい人たちと心の糧を得たり / 宮沢賢治のように東北の農民と / 明るく生き生きと生きる術を模索したり / およそ冷徹残酷な人間と程遠い存在も多々あった / 先ずは裏のことを知らなければ / 御先祖様に申し訳ないことだろう
☆☆ 滅びから永久(とわ)の道へ ⇒
21世紀 ヤマトごころの部屋 池田整治氏
(ケンあや)
「花は裏切らないからいいね」と / 畑に立つ初老の女性は言った / ならば裏切らない花になればいい / 人間だって花になれるさ / と僕は心のなかで思った / ひとりひとりの花を咲かせるには / 咲かせられる土壌をつくらなければならない / 一歩ずつ前へ / 光の方へ……
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Comment
共生・・
自分の身を何処に置くのかを考えるという事でもあるのでしょうか・・。
ボクは残念ながら昆虫が苦手なので難しそうです(´▽`*)アハハ(T▽T)。
田んぼの畝からの水漏れを防ぐためにモグラの嫌う曼珠沙華を植える。
生活の知恵でもあるけれど、モグラの気持ちはどこへやら・・。
考え出すと切りがないですね(^^ゞ
ボクは小さな植木鉢の植物たちから多くのものを学ばせてもらっています。
すーさんは計り知れない経験をされているのでしょうね、そして真っ直ぐそれと向き合っていらっしゃる。
凄いことだと思います。
kaminomoribitoさん、こんにちは^^
コメント、ありがとうございます。
大分日が長くなりましたね。今日は夕方から梅雨間の晴天になり
とても空が美しく感じられます。そちらは如何ですか。
虫ですか。僕も初めの頃はドキッとしましたが、段々と慣れて
来ました。虫も動物もこちらに悪意や敵意がなければ、何かが
通じるのか悪さをされることはありません。大らかに向き合い
たいです。
kaminomoribitoさんのメダカや花への愛情はなかなか真似の
出来るものではありません。環境がよければ直ぐに順応される
のでは?まだ僕は自然農1年生です。
感謝^^