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あしたのジョー

あしたのジョー

Demain de Joe



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 まだ蝉が鳴いている。日中はかなり気温が上がるけど、朝晩は涼しく

なって来た。古民家での生活にも慣れ、この夏は扇風機すら使うことは

なかった。家の構造や周りの環境に依るのだろうけど、先人の知恵は、

受け継がれずに来たようだ。そばの会で汗を流したら、帰宅して残り湯

で体を拭く。シャワーがなくても、少しも不便ではない。古民家の生活

を捨てて、電気尽くしの生活をする現代人。何か変だ。



Les cigales font entendre des cris stridents. L’été est là. Mais un peu frais au matin et au soir. Nous n’avons pas utilisé de ventilateur électrique chez nous. La vieille maison bien s’adapte aux circonstances. Après des travaux au dehors, je peux utiliser le reste de l’eau dans le bain à la place de la douche. Mais à la ville on utilise tout à fait l’électricité,
l’électricité, l’électricité.




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 旦那さんに先立たれ、一人暮らしをするお祖母さまが、足腰が弱って

田畑に立つことが出来なくなる。そんな休耕田をお借りして、草を刈り、

耕して、畝立てをする作業が連日続いた。ジョレンを置いて、暫し休憩。



Les champs de sarrasin sont apparteneus à une vielle dame qui ne peut pas macher aux champs, que le groupe de sarrasin des villageois emprunte. Je fais une pause.




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 そばの会は、70代の方が多く担っている。今年の耕作面積は、10aほど

に拡張した。早速イノシシに荒らされたのだけど、トタンや電柵で対処す

るのが通例になっている。きっと人間の作業を、山の中から見ていること

だろう。カモシカやアライグマなども、共生したいけど害獣である。



Les membres du groupe ont plus de soixante-dix années. La surface cultivée mesure 10 a. déjà ravagé des sangliers. Cette année aussi on va préparer les grille électrique ou les tôles galvanisées. Il se peut que une famille des sangliers regarde le terrain par la montagne. Les cerfs et racoons sont compris aux animaux nuisibles.




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 ようやく畝立てがほぼ終わり、Tさんが畑でとれた西瓜を持ってきて下さ

り、皆で頬張った。汗がスーッと引いていく。西瓜は偉いものだ。旬の食

材は、人間の体を正常に保つ働きを持つことを、この日も実感した。



Nous avons finis de tracer des sillons. Après le travail, nous avons mangés une pastèque bien fraiche, qui nous fait frais. Les légumes de la saison normalisent le corps des hommes.




家族の肖像


 ルイさんから、家族のポートレートがメールで届いた。流石は写真家で

ある。どれもいい写真だった。ルイさん、リリーさんを迎えた最初の夕餉。


 昨夜、実写版映画「あしたのジョー」を家族で観た。俳優の伊勢谷友介

さんは、力石徹をよく演じていた。僕の世代は、テレビ・アニメで見てい

たから、映画評は少々辛口になるだろうか。男の子は単純である。映画

を見終わってから、ボクシングの真似をして兄弟同士で遊んでいた。



J’ai reçu les portraits de ma famille de monsieur Loui. Il est un photographe professionel. Tous sont belles photos. Le prémier soir avec Lili et Loui. Nous famille avons regardé le film ≪Demain de Joe≫. Il était autrefois le dessin animé de boxe. Bien sûr après le film, nos fils font un match de boxe.




☆ あしたのジョー テーマ曲 ☆

  作詞は寺山修司氏。若い頃、カラオケで時々歌ったことがある。

  YOU TUBEでは、被災者を応援する編集されたジョーがいた。











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 あしたのジョーには、雑草のような逞しさがあるし、美学もある。おそらく

戦災孤児を主人公にしているのだろうから、東日本大震災で孤児になっ

た子どもたちにも通じる、生きるメッセージがあると思う。



L’héros pourrait être basé sur les orphelins de guerre.
La chanson principale du dessin animé dont le parolier est poète et écrivain Terayama Syuji, ci-dessous sont ses poèmes.





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 ― 寺山修司氏の短歌から ―


 見るために両瞼をふかく裂かむとす剃刀の刃に地平をうつし


 かくれんぼの鬼とかれざるまま老いて誰をさがしにくる村祭


 マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国ありや








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 コスモス会で植えた花が、数本咲いていた。


Plusieurs sont fleuris. Les fleurs de cosmos plantées des villageois.




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 古民家の周りに、百合が咲き始めた。もうすぐ秋・・・・・。



Il se trouve des fleurs de lis au jardin. De l’été à l’automne.










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クラブ クワトロ

CLUB QUATTRO 

岡本愛美ライブ + 鬼もみ太鼓







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 ルイさん、リリーさんの余韻覚めやらぬまま、関空で見送った翌日は、

暑い中、そばの会の畑を耕し畝立てをして、衣服はびしょ濡れになった。

そして昨日は、鬼もみ太鼓演奏のため、大阪へ出掛けて深夜帰宅した。


 ルイさんからメールが届き、無事にルーマニアへ着いたことと、嬉しい

知らせがあった。帰宅後直ぐに、フランス語サイトへ写真をUPされた。

☆ クリック →  citizen side   花坂のお盆祭り

ルイさん、ありがとう。今回から、仏語翻訳を妻にお願いしなくては。

Le lendemain après avoir envoyé Loui à l’aéroport a été chaud, mais j’ai travaiilé au champ de sarrasin, tout trempé. Hier nous somme allé à la ville Osaka pour l’exécution de tambour de Onimomi, rentré au minuit. Je suis heureux de recevoir du mail de Loui qu’il est chez lui avec Lili. Il a montré ses photos de village Hanasaka au web site tout de suite. Merci bien.





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 花坂鬼もみ太鼓保存会のメンバーは、橋本駅から難波へ向かった。

Le groupe de tambour de Onimomi, les membres des enfants et leurs mères ou pères, est parti la gare de Hashimoto pour la gare de Osaka.






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 なんばパークスにて昼食。今大都市で流行っている形態だろうか。

Prendre déjeurner.






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 午後3時前、大阪・心斎橋のパルコ8階にある、「クラブ・クワトロ」に

到着した。太鼓の搬入を済ませた後、リハーサルを見学。歌っているの

は、岡本愛美さん。かつて、花坂鬼もみ太鼓のメンバーだった。歌手活

動を始めて1年になり、この日は初のワンマンライブになることから、

招いてくれたそうである。絢香さんのファンでもあり、なかなか上手い。

Nous sommes arrivés à la salle de l’exécution, le club Kuatro, à l’Osaka, à 15 h. environ. Nous avons apporté les tambours, d’après regardé la répétition. La chanteuse a été membre du groupe de tambour. Elle chante depuis une année.






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 出番を待つ、鬼の面たち。

Les Oni(ogre) attendent ses tours.






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 出番を待つ、和太鼓たち。

Les tambours attendent ses tours.






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 ライブは、午後6時半に開演した。オープニングは、Accaさんのオリジ

ナル曲。客席は満席であった。ウイスキーでも飲みながら聴きたかった

けど、また別の機会に。ライブハウスは、久し振りだった。東京時代は、

六本木や銀座や渋谷でよく遊んだけど、大阪はまだよく知らない。

Le concert live a commencé à 6 h. et demi, est bondé. Un peu dommage sans l’alcool.






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 岡本愛美さんワンマンライブの第1部は、バラードだった。カヴァー曲

も数曲披露。音楽を聴くのは、楽しい。どこまで魂に響いてくるのか・・・。

Elle chante ses originels aussi d’autres.






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 立ち見客もあり、鬼もみ太鼓のメンバーたちも、一番後ろの壁に凭れた

りしながら聴いた。幼い四男も、ずっと騒がずに聴いていた。歌の力。

Il y a eu les gens debout de l’écouter, y compris les membre de tambour et Romi de quatre ans.






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 第1部が終わり、第2部が始まるまでの間に、鬼もみ太鼓の出番。

Maintenant, c’est son tour, le groupe de Onimomi.






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 鬼が舞う・・・・。小中高生、15名。

Les Oni dansant. Les membres sont 15.






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 ライブ進行役のサミーさんは、鬼もみ太鼓の謂れを伝えて下さり、客席

から拍手を頂いて子どもたちも嬉しそうだった。汗を一杯かいていたね。

L’animatrice annonce l’histoire du groupe. Les garçons sont tout a fait mouillés






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 第2部は、太鼓の搬出などで聴く事が出来ず、最期のアンコールだけ

になってしまったけど、観客は体を揺らし、盛り上がっていた。岡本愛美

さん、初ワンマンライブが成功に終わりオメデトウ!そして、アリガトウ!

これからも人間的に大きく成長して、素晴らしい歌手になってね。

Les clients ont joué le concert bien. Félicitations! Merci! Au revoir! Jusqu’à un jour de revoir une grande chanteuse!






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 人間の夢と営み・・・・・。

Le rêve et la vie.










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ルイ&リリー PART5 《ユーモア》






☆ 写真展 in 高野山 ☆


♪ マリア・タナス ♪

☆ よろしかったら、ルーマニアの歌姫をBGMにどうぞ ☆









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 ルイさん、リリーさん、滞在12日目。大師教会・大講堂を会場に26作品

展示した。初日の20日は、観光で来られた方々が観賞して下さった。







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 滞在13日目。写真展2日目の21日、高野山でイベントのあったボーイ・

スカウトの子どもたちも観賞してくれた。ルイさんは、子どもたちに作品

の解説をしながらルーマニアについて話していた。







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 お昼前、突然激しい雨が降り出した。







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 屋根を叩いて降る雨は、滝のようになった。







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 来場者の足が遠のき、受付に座っていた僕たちは、止めどなく会話

を楽しんだ。ルイさんのユーモアに、リリーさんとお腹を抱える。ただ

でさえ広い空間に、人数が少ないと気持ちも萎えそうだけど、すべてを

笑いに変えるユーモアのセンスは抜群だった。彼と交流した地元の人

が、言葉が通じないのにファンになったほどだから。







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 チョコレートの箱に描いた絵には、仕掛けがあった。箱をたたむと別

の顔が出て来る。高野山での写真展は、あっという間に終わった。







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 作品を撤去して会場の片付けをした後、色々と協力して下さった大師

教会のお二方に、ルイさんは1枚ずつ作品を選ばせて差し上げた。とて

も喜んでおられた。会場を提供して下さり、ありがとう。







☆ 別れのフライト ☆


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 滞在14日目。ルイさんとリリーさんは、花坂を散策した。夕方、ルーマ

ニアの厳しい政情や食糧自給など多岐に渡って語り合い、最期の夕餉

は、手づくりの餃子・水餃子を200コほど作って皆でお腹を満たした。そ

して、子どもたちも最期の交流を楽しんだ・・・・。

 滞在15日目。早朝、地元のkさんが送りに来て下さり、記念撮影などを

して、7時半に関西国際空港へ向かった。国際線出発フロアに着いたの

は9時頃だったが、既に多くの人たちで溢れていた。搭乗手続き・・・・。







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 三男、四男は、たくさん遊んで貰えたから、もっといて欲しいと思った

いたようである。家族に近い存在に成り得ただろうか。







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 ルイさんは言った。「来年、君たちを待っているから。空いている部屋は

少し狭いけどね」・・・・・いつか家族で訪ねたいものである。







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 搭乗ゲートで握手を交し抱き合い、見送った後、僕たちは展望ホール

へ移動した。フライトまで1時間余り、海風を受けながら家族で待った。







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 娘が暮らすパリへ立ち寄ってから、ルーマニアへ帰る。







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 飛行機は、日本の地を離れた・・・・・。







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 飛行機は豆粒ほどになり、やがて視界から消えた。

ありがとう、ルイさん、リリーさん・・・・・・。







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 4歳の君の心に残ったものは?

 いつか会いに行こうね。

 ルーマニアの大自然と、

 ルイさんリリーさんに。 









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ELLGE 4

ルイ&リリー  PART4 

室生寺・土門拳







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 滞在9日目のルイさん、リリーさんは、高野山へ出掛けた。僕は花坂

そばの会の野焼きに参加した。今年は、耕作面積を拡大したようである。







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 作業後Tさんから、“ハナオクラ”を頂いた。ポン酢で食べると美味しい

と教わり、我が家流に妻がアレンジして、ルイさん、リリーさんと頂いた。







☆ 室生寺旅行 ☆


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 滞在10日目、室生寺へ出掛けた。夏休み唯一の家族旅行は、ルイさん

とリリーさんと共に過ごす一泊二日の旅となる。室生寺を選択したのは、

「古寺巡礼」のため室生寺を撮影した写真家・土門拳氏縁の地をルイさ

んと訪ねてみたかったからだ。丁度、お昼時に橋本屋旅館に到着した。







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 昼食を済ませた後、皆で“竜穴神社”まで歩いた。







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 カメラを向けるとルイさんは、おどけて寝た振りをしていた。そういえば、

いつも歩いてばかりの毎日である。蒸し暑い日本の真夏日に・・・・・。







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 バス停の壁に貼られてあった、怪しい広告。ニホンオオカミは、明治初

期に絶滅したはずだけどね。ルーマニアには、沢山棲息している。







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 室生寺前の橋本旅館から、3kmほど歩いただろうか。四男は、長男と

次男と三男に代わる代わる負ぶされていた。車ではなく、歩く意味。







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 竜穴に到着。しばし水の流れと龍神に会えた喜びを味わったのち戻ろ

うとしたところ、ポツポツと雨が降り出した。そして、長い下り坂を歩きなが

ら流石は雨乞いの神なり、などと得心していたところへ、橋本屋旅館の

御主人が軽トラに雨傘を積んで来て下さった。雨は止み陽が差して来た

ので丁重にお断りをした。それにしても、何とも優しい御主人なり。







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 室生寺まで戻り、小休憩をした。よもぎの回転焼きを買い、ところてん

やソフトクリームを食べ、麦茶を飲んだ。おまけに、自家製のプチトマト

までサービスに頂いた。それが特に美味しかったかな。感謝。







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 午後三時頃、室生寺へ。







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 724段の石を一歩一歩踏みしめて昇った。途中、秘仏を拝した。







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 4歳の四男は自力で昇り切り、到達したら「ヤッター!」と叫んでいた。

中村氏は、半世紀以上、室生寺に勤めていることをお聞きした。ご詠歌

を一筆したためて頂いた。ルイさんと我が家の分と。素晴らしい方だっ

た。継続する力・・・・・。中村氏の書体、724段を日々往復する重み。







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 屋根に生える草は、室生寺の心だろうか・・・・。







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 夕方、橋本屋旅館へ戻り、皆で一風呂浴びた。夕食は、食べきれない

程であった。ルイさんは、驚いていたけど僕は有難くすべてたいらげた。

特に山芋の天ぷらは、美味しかった。心の篭もった料理であった。







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 とろろ汁。一番忘れられない味になるだろう。山の恵み・・・・。







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 橋本屋旅館のご主人のお母様は、土門拳氏を御世話した女将である。

食後に、当時の思い出を話して下さり、伊勢湾台風の苦労話なども交え

静かに語る声と眼の輝きに感銘を受けた。今回は長くなったので、別の

機会にまた拙い文章を綴りながら語りたいと思う。

 橋本屋旅館には、僕の好きな池田満寿夫氏を始め数々の文人墨客が

訪れていることを知った。客室から見る風景は、素晴らしかった。お年を

召されていたけど、女将であった奥本初代さんのお話を聴くことが出来て

幸いであった。ルイさん、リリーさんの心にも深く残ったことだろう。







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 室生寺への旅。ほんのさわりだけだけど、読んで下さりありがとう。

この旅の続きは、またいつか・・・・。









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ルイ&リリー  PART3  

写真展・夏祭り in 花坂







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 古民家のトイレは離れにあり、窓からは椿の木を眺めることが

出来る。一段低い畑から、椿の木に絡みながら伸びるものあり。







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 カボチャの成長を、毎日トイレから眺めている・・・・。

ルイさん、リリーさんは、和大の本多先生たちとの南紀旅行から帰って

来られた。那智の滝や古座川など熊野の自然と文化に触れられて、素

晴らしい体験が出来たことを喜んでおられた。本多先生には感謝の念に

堪えない。初めてお会いした奥様は、笑顔がとても素敵な方だった。







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 訪日7日目。早起きをして昼食の弁当などつくり、8時に夏祭り会場へ

集合した。かつて花坂では、お盆行事である仏事や神事を3日間に渡っ

て行なっていたが、人口の減少に伴い現在では15日にまとめて行なわ

れている。親神になる隅田(スダ)の八幡さんの宮司さんが来て下さり、

準備を終え、10時から神事が執り行なわれた。







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 シーツに墨書してみた。風をはらんで、勝手に“航海”を連想しながら

遠い国から見えた大切な客人が、地元の人たちと交流出来るこの日を

秘かに待ち侘びていた。アートが繋ぐもの・・・・・。







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 「オン・ザ・テーブル!」先日のルイさんの閃きは、斯様になった。







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 作品はモノトーンがメインだけど、カラー作品も展示された。







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 ルーマニアの風景は、花坂の人たちにどう映るのだろう?







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 明と暗。コントラストが織り成すモノトーンの世界。切り取られた一枚

の作品のなかには、物語と生死と美がある。観賞することは、“見て楽し

む”ことだけど、同時に、観照して“本質を見極める”という見方もある。







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 和歌山市から本田先生とゼミ大学生お二人がみえた。







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 地元の子どもたちも観賞してくれた。メッセージ・ノートには、様々な

感想が書かれてありとても嬉しかった。地元へお盆帰省された方々も

来て下さり、旧保育所は息を吹き返したかのように賑わっていた。







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 地元の子どもたちがメンバーになっている、鬼もみ太鼓保存会のお母

さんたちは、ルイさんの解説を聴きながら観賞された。夏祭りでの太鼓

演奏の準備で一日中、汗を流すのだけど、手づくりの出店のポップなど

も例年の役割になっている。







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 午後2時過ぎ、鬼もみ太鼓のメンバーは、軽トラ2台に分乗しておよそ

60世帯ある花坂地区の家々を巡行した。鬼の霊力で一軒一軒祓い清め

る。ルイさん、リリーさんも、小さな地域の伝統を楽しんでいた。







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 夕方、新聞社の取材を受け、ルイさんは真摯に語っていた。掲載は、

来月初旬になる予定。蝉時雨のなか、フランス語が熱く響く・・・・。







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 夏祭りは、夜の帳が降りる前の7時に始まった。僕は今年、設営と

音響の係りになり、おまけに鬼もみ神事の鬼役を命じられたから、カ

メラを向けることがほとんど出来なかった。鬼もみ太鼓の奉納演奏、

風の祈祷(神社に向かい般若心経を皆で読経する、神仏習合神事)、

そして「五穀豊穣」や「雨乞い」を祈願する鬼もみの順で行なわれた。


 ♪ 川岸の 根白の (カワギーシーノ、ネジローノ)

   川岸の 根白の (川岸の根白は、柳のことをいう)

   鬼現れし候   (オニ アラワレシ ソウロウ) ♪

鬼の面、鬼の衣装を着て長い棒を持った僕は、宮司さんの御祓いを

受けた後、この歌に合わせて踊り、走り出した。伐採された高さ数m

の桧を、多くの若者たちが立て、鬼を追い捕まえて寝かせた桧の上に

鬼を乗せてグルグル回す。この一連の動きを三度繰り返して、身を挺

して村人を守る鬼となる。鬼も桧を回す者たちも、汗だくになる。







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 夏祭りの締め括りは、盆踊り。花坂音頭、河内音頭、やっちょん踊り、

炭坑節・・・・・。なめらかな手と足の動きは、年配者ほど美しい。それを

若者や子どもたちが真似て憶えていく。小さな地域の伝統と継承・・・・。







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 踊り明かそう・・・・・月光の下で。川の神の前で。

今年は特別な夏祭りになった。ありがとう、ルイさん、リリーさん。

ありがとう、花坂のみなさん。ご先祖たちも喜ばれていることだろう。









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ELLGE 2

ルイ&リリー  PART2






☆ 2日目 ☆


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 先月からルイさんとリリーさんの滞在スケジュールについて、メール

を使い調整をして来た。2日目の午前中は、高野山壇上伽藍から観て

回った。僕の拙いガイドは最小限に留めた。何故ならアーティストとし

て五感で感じることがとても大切だから。三人で、ゆっくりと歩いた。






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 神仏習合と空海の哲学について少し話し合った。六角経蔵は大勢で

回すことが出来る?ということで、リリーさんが「貴方、回してみてよ」

と云われて、ルイさんは弁慶になってみたけど・・・・。






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 壇上伽藍の蛇腹道を歩いて、金剛峰寺へ向かった。とてもよく晴れて

いたけど、厳しい暑さではない。屋内では一陣の風が渡ると、心地よく

感じられた。つがいの龍を表現した庭は、ただ白く光っていた・・・・・・。

お昼時になり、帰宅した。昼食はパスタを振舞った。ニンニクとオーガニッ

ク・ソーセージのトマト・パスタ。午後から、地元花坂を回る。






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 昼食後、次男・三男・四男は川で遊ぶ。長男は、自宅で学習中。






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 野菜作りや漬物作りが上手なTさん宅を最初に訪ね、花坂中心部へ

移動した。旧西高野街道だった道を歩いて、花坂に4軒あるやきもち屋

さんへ寄った。すべて回れなかったため、次の機会とすることに。Kさん

のお店で、やきもちとお茶を一腹ご馳走になった。






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 氏神である鳴川大明神と観音堂へ、ご挨拶。






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 その後、観音堂の隣にある花坂小学校へ寄ってみた。校長先生に

お願いして、見学を申込んでみたら快諾して下さった。リリーさんは、

ルーマニアのシビウで教員をされていた。小規模校について話したら

とても驚かれていた。複式であっても先生と児童は、マンツーマンの

ようなものである。一人の教師が個々の生徒と向き合うには、物理的

にも20人程度が限度ではないだろうか。


 小学校にお邪魔した後、校庭を横切り旧保育所へ向かい、ルイさんと

写真展についての打ち合わせをした。現場を見るまでは、壁面に暗幕を

張り、その上に作品を展示する予定だったが、ルイさんは突然ひらめい

たのか、「オン・ザ・テーブル!!」と強く言い放った。デコレート、飾りを

排除してシンプルに見せよう!という方法を選択したようである。






☆ 3日目 ☆


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 3日目の朝、朝食を済ませ高野山へ向かった。梵恩舎で珈琲を頂き、

フランス人の妻を持つご主人としばし会話を楽しんだ。






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 奥の院は、外国人観光客に人気のスポットである。ルイさんも感銘を

受けていた。およそ樹齢200年から400年の巨木のなかに、2万基以上

のお墓がある。空海の御廟を参詣してから、霊宝館へ向かった。






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 昼食は、自宅でそうめんを持て成した。古民家には丁度茗荷が食べ頃

を迎えていたから、薬味として生姜と一緒に供した。食後、子どもたちは

川遊びに出掛けた。朝、ルイさんとリリーさんは僕たちに提案した。夕食

は、リリーさんがラタトゥーユを作ってあげたいということだった。好意に

甘え了解し、その為の買出しに出掛けた。紀ノ川筋のファーマーズ・マー

ケットとマツゲンにて食材を調達したのだけど、ズッキーニが1本しか見

つからなかった。メニューは、急遽別の家庭料理に変更した。






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 夕方、ルイさんは、子どもたちが集めた流木を使って、古民家の庭に

シャンピニオンなどつくって遊び始めたら、子どもたちも遊び始めた。






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 自然の造形が、何か別のものに見える見立て遊びはオブジェになる。






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 本物のアーティストは、子供と変わらない。けれども、シリアスな話も

深く論じられるもの。そしてルイさんは、ジョークが大好きだから午後の

買い物先でも、初対面の人を笑わせていた。フランス語や英語なのに。






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 リリーさんは、ルーマニア家庭料理の調理を始めた。ルイさんや僕の

妻と子どもたちも協力した。材料は、トマト、ナス、サニーレタス、鶏ムネ

肉、ニンニク、玉ネギ。調味料等は、粗塩、タイム、胡椒、バルサミコ酢、

オリーブ・オイル。手元を見ていると、とても手際がよいから矢張り感心

してしまった。台所の技は、万国共通である。






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 ナスは薄く切り、塩を振ってしばらく置いてから、手で搾って水気を出し

ていた。そして、オリーブ・オイルで揚げる。作り方を憶えるために、僕は

ずっと手順を見ていた。そして何だか、豊かな気持ちになった。料理は、

出来上がった。およそ一時間。リリーさんは、額にうっすらと汗。


 とても美味しい夕食だった。子どもたちもとても喜んでいた。お腹がペコ

ペコだったから、写真を撮り忘れてしまった。






☆ 4日目 ☆


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 4日目の朝を迎えた。和歌山大学の本多教授、吉永さん、建築家の方

が迎えに来て下さった。2泊3日の南紀旅行をエスコートして下さる。僕

たちも着いて行きたいけれど、侭ならないから「ボン・ボワヤージュ!」と

言って、走り去る車を見送った。ボランティアで引き受けて下さった本多

教授は、明後日の昼過ぎに我が家まで送って来て下さるので有難い。






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 ルイさんとリリーさんが留守の間、家の掃除と写真展の備品等を準備

する予定だ。昨夜は、ルイさんから頂いたルーマニアの本や資料を見て

は、大人4人で、歴史や文明について長く語り合った。とてもエキサイティ

ングな楽しい夜だった。子どもたちは、傍で絵を描いたり本を読んだりし

て過ごしていた。語り合った後、庭に出て、皆で星空を眺めた・・・・・。


〔付記〕

 ブログを書きながら、ルイさんから頂いたルーマニアの歌手、“マリア・

タナセ”(MARIA TANASE)の歌を聴いてみた。ギリシャの旋律に似てい

るメロディーもあり、とても好きになってしまった。後日UPしてみたいな。

読んで下さり、感謝いたしまする。







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ELLGE訪日

ルイ&リリー 再会の日





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 昨日までに清掃とゲスト・ルームの準備を終え、今朝は5時に起きて

関西国際空港へ向かった。ルーマニアのシビウという街から、首都ブカ

レストへ飛び、ブカレストからアムステルダムへ飛び、そしてアムステル

ダムから関空まで飛ぶ長い道のりである。国際線到着ゲートで妻と到着

を待った。疲れていないだろうか?元気だろうか?






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 我が家に着いたのは、丁度お昼時であった。食事をしてから、家族で

色々語り合い、4年振りの再会を喜び合った。息子たちは、片言のフラ

ンス語と英語と心で何とかコミュニケーションが出来た。僕たちは今後

のスケジュールについて、妻に通訳を頼んで確認し合った。目の前の山

で鳴くヒグラシなど蝉たちの音に包まれながら・・・・。






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 夕方、和歌山大学の本多教授が仕事の帰りに立ち寄って下さった。

今週末、博士課程の吉永さんと共に、ルイさんとリリーさんをエスコート

して頂けることになった。南紀の本宮や那智の滝などを巡る予定である。

夕食は妻がもてなす郷土料理やお寿司など食べ日本酒を頂いて、早目

に床に入って頂いた。息子たちは普段の生活リズムより早い客人の就寝

に、声を立てないように静かに夜を過ごした。






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 今日はとても暑い一日だったけど、エキサイティングであっという間に

過ぎてしまった。今日から二週間、写真展を含めて大切な客人と有意義

な時を過ごしたいと思う。フランス語への翻訳は、ルイさん夫妻が我が家

に滞在しているのだから、その間は翻訳しない。何故なら彼等のために

して来たことなのだから。明日からの出来事は、随時ブログへUPしてい

こうと思うのだけど、皆さんへの訪問が出来ない時もあると想像出来るの

で、どうかご容赦下されませ。今日はカメラを構える余裕もなく、これにて

失敬致しまする。


追伸:今日は長崎原爆忌。心より黙祷を捧げます。







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怪談

怪談  ~昔と今~

KAIDAN



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 古民家の庭に咲く花・・・・。

Une fleur au jardin.




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 カタツムリ君、葉っぱがお好きなよう・・・・。

L’escargot aime la feuille.




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 シロとクロは、戯れていた。

Les chatons.




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 薄紫の花。淡い色だけど、存在感がある。

Une fleur mauve.




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 12年間、廃園となった地元の保育所。その後、倉庫として地域で使用

されて来ただけだから、勿体ない。花坂の小学校の校庭には、観音堂と

氏神である鳴川大明神が祀られる神社(千年前、高貴な人たちが参詣し

ている)と社務所と旧保育所がある。ルイさんの写真展のため、清掃に

汗を流した。旧保育所が、今後活用されることを望んでいる。

La crèche qu’il y a 12 ans fermée, d’après un dépôt. Elle fait face à la cour de l’école primaire aussi que le temple-shintô de Narukawa et les autres bâtiments. J’en ai fait ménage pour l’exposition de M.Loui.




☆☆☆ 映画「怪談」について ☆☆☆


 夏は、怖いものを見て涼を取るのもいい。お化け屋敷に、肝試しに

こわーい映画・・・。ホラー映画は、スプラッター的でただ気持ち悪い

だけだから、触手は動かないけど、先日、家族で観た映画「怪談」は、

面白かった。原作は、アイルランド人の小泉八雲氏(ラフカディオ・

ハーン)、監督は小林正樹氏1964年の作品である。

 今から40年前の1971年、小林正樹監督は、映画「いのちぼうにふろう」

完成の際、カンヌ国際映画祭に招待され、カンヌ国際映画祭25周年記念

世界十大監督の一人として功労賞を受賞された。『鋼鉄の映画監督』と

絶賛された。残る9人は、ミケランジェロ・アントニオーニ、フェデリコ・

フェリーニ、ルイス・ブニュエル、ウィリアム・ワイラー、ロベール・ブレッ

ソン、チャールズ・チャップリン、オーソン・ウェルズ、リンダー・アンダー

ソン、ルネ・クレマンと壮々たる監督たちである。小林正樹監督映画は、

「切腹」をパリの映画館で若い頃観たのだけど、成瀬巳喜男監督や溝口

健二監督を知ったのもパリだった。フランス人は、侍の美学が好き?


L’été va au film d’horreur très fraîs. Par exemple, le film japonais KAIDAN(1964) écrit de Lafcadio Hearn, realisé de Kobayashi Masaki, est un très remarqué fresque fantastique en quatre parties. Durant les années 1960, Kobayashi reçoit de nombreux prix(Cannes, Venise) et son travail est reconnu. Peut-être les français aiment le Samourai.




☆☆☆ 怪談・予告編 ☆☆☆








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 夕方、空に懸かる月と、はぐれ雲ひとつ・・・・。

 怪談といえば、怪談を勝る怖さが現在の日本にはある。放射能につい

て調べていると、遺伝子を破壊された奇形写真に否が応でも出会わざる

を得ない。それらの写真は、あまりにも残酷だからブログへの投稿は気

が引けてしまう。今月、東京で再上映されるドキュメンタリー映画は僕は

すぐに観ることは出来ないけど、触手が動いてしまう。

Au soir, la lune et un nuage.Il y a une chose plus terrible que le Kaidan, la radioactivité, ce qu’elle produit.Au-dessous, le film de Chernobil Heart, le diaporama.(résultat de l’humain de la radioactivité)




☆☆☆ チェルノブイリ・ハート (放射能が人体に与える影響) ☆☆☆

クリック → チェルノブイリ・ハート






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 盛夏・・・・庭に咲く花々は、ただ美しい。


Les belles fleurs.







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すーさん

Author:すーさん
 Sumito.M 1964~20XX 
 Yayoi.M  仏語翻訳 

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賢治の学校 綾自然農生活実践場

“天の才”を咲かせよう!

世界の子供たちが置かれている状況
の光と影 現日本社会に生きる子供
たちの光と影 事実を正しく見つめ
今を 自らの心性で支配すること

☆ 光を信じること ☆

日向・綾町の暮しの記録を中心に
多分野に渡り気ままに綴ります!

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